女性の脱毛症の原因にはいくつか種類があり、中には女性特有のものもあります。
主な原因はホルモンバランスの乱れです。
ホルモンバランスを乱すものには、偏った食事、不規則な生活、ストレスなどがあります。
びまん性脱毛症は女性版の男性型脱毛症(AGA)です。
男性のAGAとは見た目の症状が違うため、FAGAと呼ばれています。
AGAは男性ホルモンが関係する脱毛症です。
男性ホルモンが酵素によってDHTという物質に変換され、このDHTが薄毛の原因になります。
女性も男性ホルモンを少量分泌しているため、女性でも脱毛症になるのです。
女性ホルモンのエストロゲンには髪を育てる働きがあり、女性の場合は男性よりも女性ホルモンの量が多いので、男性とは違った症状の現れ方をします。
加齢やストレスによる女性ホルモンの減少でびまん性脱毛症になるケースがあります。
円形脱毛症は男女問わず起こる脱毛症です。
ストレスが原因と思われているようですが、ストレスとの関係ははっきりしていません。
現在は自己免疫疾患が原因と考えられています。
免疫は本来細菌やウイルスを退治するのですが、免疫異常で髪の成長にかかわる毛母細胞などを攻撃してしまい、髪の成長が休止状態になると考えられています。
円形脱毛症については、はっきりした原因がわかっていません。
牽引性脱毛症は、長年にわたり髪を引っ張って起こる症状です。
いつも同じ場所にポニーテールを作る、クシで無理に髪をとかす、分け目がいつも同じであることなどが原因で、髪や頭皮の負担が増えてその部位の抜け毛が増えます。
ときどき分け目や髪形を変えることで防げます。
分娩後脱毛症は、産後のホルモンバランスの乱れが原因です。
半年から1年ほどで女性ホルモンのバランスが整い解消されます。
高齢出産の場合は、回復までに時間がかかったり、薄毛が目立つこともあります。
バランスのよい食事や規則正しい生活をすることで女性ホルモンのバランスが整い、回復を早めることができます。
脂漏性脱毛症は皮脂が毛穴をふさいでしまい、頭皮が炎症を起こすことが原因です。
糖質や脂質を多く摂取すると皮脂が過剰に分泌されます。
シャンプーをきちんとしていないと、毛穴に皮脂がたまって抜けやすくなります。
ストレスも交感神経を刺激して皮脂分泌を活発にします。
合成界面活性剤を含まない頭皮に優しいシャンプーで、毛穴の皮脂を取り去ることが大切です。
脂漏性皮膚炎を起こすことがあるので、こうなる前に早めに病院を受診するとよいでしょう。