母方の実家で暮らしているからそう思うのでしょう。
私だけは、父方の家系に似たのか、毛量が多く毛深いのがコンプレックスでした。
家の中で、私だけが毛深い上に中高生のころは友達の誰よりも髪が分厚く、眉毛も濃いのが恥ずかしかったです。
そのため、大人になって就職した後は、ほぼ一月一回、美容院に通ってカラーリングで髪色を軽く見せることや、パーマをかけて髪を結いやすくしていました。
ストレートのままだと、セットできないほど髪の量が多かったのです。
しかし、こういうことを繰り返しているうちに30代に入った頃、あれほど分厚かった髪が徐々に薄くなってきました。
「歳のせいかな?」と私は思いました。
家族はもともと髪が薄いので、私が「髪が薄くなったなぁ」と言っても、あまり気にしていませんでした。
それでも女性まで薄毛の家族達よりはまだ毛量が多いからです。
そして40代になり、次に抜け毛が多くなってきました。
髪を洗ったとき、若いときよりはるかにごっそり抜けます。
それでも、年齢的にこんなものかな。
というくらいにしか思いませんでした。
髪は年々、束ねたときにアレっと思うほど薄く、そして細くなっていきます。
これに関しても、母方の遺伝かなと思うくらいでした。
この状態を改善しなければ、という危機感もなかったです。
そういったなか、2年くらい前に馴染みが働いている美容院が引っ越してしまいました。
移転先は歩いて行ける距離だったのですが、やはり近所にあった前のようにすぐに行くのはためらわれる距離で気軽さがなくなり、移転後は年に一度行くくらいになってしまいました。
以前は、3ヶ月から1ヶ月に一度は行き、全体のパーマとカラーリングをしてもらっていたのですが、その回数もグッと減りました。
そうしたところ今年になって、なんと前髪が新しく生えてきました。
いつも前髪を留めているピンの位置から額寄りに、うっすらと前髪が生えていました。
額もずいぶん広くなったなぁと思っていたので、ビックリしました。
ここ1年以上は、パーマもカラーリングもしていません。
また、多忙のため自分で白髪染めをする時間もなく、白髪用のトリートメントで間に合わせていました。
最初に生えた細い前髪は、次第にしっかりとした太さの髪になりました。
そして、夏が過ぎたらまたもう一段、額よりに前髪ができていました。
いちばん新しい前髪は、いま額の中央まで伸びています。
移転した美容院はお気に入りでしたが、やはり長年パーマ液やカラーリング剤で髪と地肌を痛めて、更年期の女性がなってしまうような薄毛を自分で引き起こしていたのでしょうね。
意識していたわけではなかったですが、美容院へ行く回数が減ったことで、進んでいた薄毛はだいぶ改善されました。
あれほどコンプレックスだった黒くて濃い前髪が、この歳ではけっこう愛おしく感じています。